「基礎代謝の低下」は、年齢による体重増加や体型の変化に深く関係しています。ここでは、基礎代謝とは何か?なぜ低下するのか?どう対策すればよいのか?を詳しく解説します。
そもそも「基礎代謝」とは?
▶ 定義
基礎代謝(Basal Metabolic Rate / BMR)とは、「何もしていない状態でも消費するエネルギー」のこと。つまり、寝ていても生きているだけで使われるエネルギーです。
▶ 何に使われているの?
- 呼吸、心臓の鼓動、体温維持
- 脳の働き、内臓の活動 など
基礎代謝の内訳(消費エネルギーの割合)
活動内容 | 全体の消費エネルギーに占める割合 |
---|---|
基礎代謝 | 約60〜70% |
身体活動(運動や日常動作) | 約20〜30% |
食事誘発性熱産生(消化に使うエネルギー) | 約10% |
➤つまり、何より大事なのが「基礎代謝」
ここが下がると、「太りやすく痩せにくい体質」になります。
なぜ年齢とともに基礎代謝は低下するの?
① 筋肉量の減少(サルコペニア)
- 筋肉は「最もエネルギーを消費する組織」
- 20代をピークに、加齢とともに年間1〜2%ずつ減少
- 特に運動不足の人は早く落ちやすい
② 成長ホルモンや性ホルモンの減少
- テストステロン(男性)、エストロゲン(女性)などの減少で筋肉の維持が難しくなる
- 成長ホルモンの分泌量も年齢とともに減り、代謝が落ちやすい
③ 活動量の低下
- 仕事や生活スタイルの変化で、歩く・動く機会が減少
- 自然と筋肉の使用頻度が落ちる → 筋肉量の減少 → 代謝低下
基礎代謝量の年齢別の目安(男女別)
年齢 | 男性(kcal/日) | 女性(kcal/日) |
---|---|---|
18~29歳 | 約1550 | 約1210 |
30~49歳 | 約1500 | 約1170 |
50~69歳 | 約1400 | 約1110 |
70歳以上 | 約1280 | 約1010 |
※体格(身長・筋肉量)によって前後しますが、年齢とともに100〜300kcalずつ減っていきます。
基礎代謝の低下を防ぐ・上げる方法
① 筋トレ+日常運動
- スクワット、腕立て伏せ、プランクなどで筋肉量を維持・増やす
- 階段を使う、歩く、立ち作業を意識する
② たんぱく質をしっかり摂取
- 体重×1.2〜1.5g/日のたんぱく質(例:体重60kg → 72〜90g)
- 卵、鶏むね肉、納豆、魚、豆腐、プロテインなど活用
③ 睡眠とストレス管理
- 睡眠不足や慢性的ストレスは、代謝を下げるホルモン(コルチゾール)を増やす
- しっかり寝ることで、成長ホルモンの分泌を促す
④ 水分をしっかり摂る
- 脱水状態になると代謝は落ちます。1日1.5~2L目安に水を摂取
まとめ
原因 | 対策 |
---|---|
加齢による筋肉減少 | 筋トレ・たんぱく質補給 |
ホルモン減少 | 睡眠・ストレス管理 |
運動不足 | 日常の中で「ちょこちょこ動く」 |