CPAP(シーパップ)療法とは?
CPAP(Continuous Positive Airway Pressure:持続陽圧呼吸療法)は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療に使用される代表的な治療法です。この療法では、鼻マスクや鼻と口を覆うマスクを装着し、そこから一定の空気圧を送り込むことで、気道を常に広げた状態に保ち、無呼吸やいびきを防ぎます。
CPAPの仕組み
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空気の送気
- 機械から空気が送られ、マスクを通じて気道に圧力をかけます。
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気道の開放
- 気道の閉塞を防ぎ、呼吸を正常に保ちます。
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睡眠の質向上
- 無呼吸がなくなり、酸素不足が改善されることで、深い眠りを得られます。
CPAPの効果
- いびきの軽減:気道が開かれることでいびきがなくなります。
- 日中の眠気改善:酸素不足が解消され、昼間の眠気が軽減されます。
- 血圧の安定:睡眠中の酸素低下による血圧上昇を防ぎます。
- 心疾患・脳卒中リスクの低下:長期的に使用することで合併症の予防が可能です。
CPAPが適用される患者
CPAP療法は主に以下の方に適用されます。
- 中等度〜重度の閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)
- 一晩に無呼吸・低呼吸が15回以上の方
- 日中の強い眠気や集中力の低下がある方
- 高血圧や心疾患の合併症リスクがある方
使用の流れ
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診断
- 睡眠ポリグラフ検査(PSG)で無呼吸の有無や重症度を診断します。
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機器の調整
- 医師や技師が、患者に合った適切な圧力を設定します。
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自宅での使用
- 毎晩就寝時にCPAPを装着します。
- 使用後は定期的に医師が効果を確認し、必要に応じて調整します。
CPAP使用時の注意点
- 慣れるまで時間がかかる:初めはマスクの違和感を感じることがありますが、数週間で慣れることが多いです。
- 鼻や喉の乾燥:加湿器付きのCPAPを使うことで軽減できます。
- 定期的な清掃:マスクやホースは清潔に保つ必要があります。
- 装着のフィット感:フィット感が悪いと空気漏れが起こるため、医師に相談しましょう。
まとめ
- CPAP療法は、睡眠中に持続的に空気を送り込み、気道を広げて無呼吸を防ぐ治療法です。
- いびきや日中の眠気を改善し、合併症の予防にもつながります。
- 初めての方でも慣れれば快適に使用できることが多いため、医師と相談しながら適切に継続しましょう。