性感染症(STI)の治療方法は、感染の原因となる病原体の種類に応じて異なります。性感染症は 細菌、ウイルス、寄生虫、真菌 などによって引き起こされるため、それぞれに適した治療が必要です。
1. 細菌性感染症の治療
細菌感染は 抗生物質 による治療が効果的です。
例:
- クラミジア感染症:アジスロマイシンやドキシサイクリン
- 淋病:セフトリアキソンの注射
- 梅毒:ペニシリンの注射
ポイント:
- 指示された期間、処方された薬を最後まで服用することが重要です。
- 性的パートナーも同時に治療する必要があります。
2. ウイルス性感染症の治療
ウイルス感染は 抗ウイルス薬 による治療が行われます。完全に治癒することは難しいものの、症状を抑えたり再発を防ぐことができます。
例:
- 性器ヘルペス:アシクロビル、バラシクロビル
- HIV感染症:抗レトロウイルス療法(ART)
- B型肝炎・C型肝炎:抗ウイルス薬による治療
ポイント:
- 継続的な治療と定期的な検査が必要です。
- 早期の治療開始が症状の進行を抑える鍵となります。
3. 寄生虫性感染症の治療
寄生虫による感染は 抗寄生虫薬 で治療します。
例:
- トリコモナス症:メトロニダゾールやチニダゾール
- 毛じらみ:専用の駆除薬やシャンプー
ポイント:
- 毛じらみの場合は、衣類や寝具の消毒も重要です。
- 感染を繰り返さないためにパートナーも治療が必要です。
4. 真菌性感染症の治療
真菌による性感染症は 抗真菌薬 によって治療します。
例:
- カンジダ症:ミコナゾールやフルコナゾール
ポイント:
- 免疫力が低下している場合は、再発しやすいため注意が必要です。
治療時の注意点
- パートナーも同時に治療することが必要:再感染を防ぐために、パートナーにも検査と治療を受けてもらうことが推奨されます。
- 性行為を控える:治療が完了し、医師の許可が出るまでは性行為を控えることが重要です。
- 定期的なフォローアップ:症状が消えても再発や合併症の有無を確認するため、再検査を受けることが推奨されます。
性感染症は早期発見・早期治療が非常に重要です。気になる症状があれば、速やかに医療機関を受診しましょう。