アゾール

「-azole」とは?

アゾール「-azole」は、抗真菌薬(抗菌薬の一種)の国際一般名(INN)でよく使われる接尾語です。


主な特徴

  • 真菌(カビ・酵母など)の細胞膜の合成に必要なエルゴステロールの生成を阻害することで、真菌の増殖を抑制します。
  • 主に抗真菌薬として使われますが、一部は抗寄生虫薬など別の用途もあります。

作用機序

  • 真菌細胞膜の主要成分であるエルゴステロールは、細胞膜の構造と機能維持に重要です。
  • 「-azole」薬は真菌のシトクロムP450酵素(14α-デメチラーゼ)を阻害し、エルゴステロールの合成を妨げます。
  • 結果として、真菌の細胞膜が破壊され、増殖や生存が阻害されます。

代表的な「-azole」抗真菌薬

薬剤名(一般名) 主な適応 使用例
フルコナゾール(Fluconazole) カンジダ症、クリプトコックス症、カンジダ性口内炎など 経口・点滴
イトラコナゾール(Itraconazole) アスペルギルス症、皮膚真菌症、深在性真菌症 経口
ケトコナゾール(Ketoconazole) 皮膚真菌症、頭皮の癜風(てんぷう) 経口、外用
ボリコナゾール(Voriconazole) 深在性真菌症、侵襲性アスペルギルス症 経口・点滴
ポサコナゾール(Posaconazole) 免疫不全患者の深在性真菌感染症予防 経口・点滴

臨床的なポイント

  • 広範囲の抗真菌スペクトラム:多くのカンジダ、アスペルギルスなどに効果があります。
  • 副作用:肝機能障害、消化器症状(吐き気、腹痛)、薬物相互作用に注意。
  • 薬物相互作用:CYP450酵素を阻害するため、他の薬剤の血中濃度を上げることがある。

まとめ

「-azole」薬は真菌の細胞膜を作るエルゴステロール合成を阻害し、真菌感染症の治療に使われる重要な抗真菌薬群です。適応や副作用を理解し、適切な使用が必要です。

 

投稿 アゾールメプラス - MEPLUS に最初に表示されました。

おすすめ

PAGE TOP