熟眠障害(眠りが浅い)とは?
熟眠障害とは、睡眠の質が低下し、十分な深い睡眠が得られない状態を指します。通常、睡眠は浅い眠り(レム睡眠)と深い眠り(ノンレム睡眠)のサイクルを繰り返しますが、熟眠障害では、深い眠りが得られず、夜中に何度も目が覚めたり、寝た感じがしないことがあります。このため、翌日に疲れや倦怠感が残り、日中の集中力が低下することがあります。
主な特徴
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眠りが浅く、夜中に目が覚めやすい
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目覚めた時にスッキリ感がない
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日中に強い眠気や倦怠感を感じる
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集中力や記憶力の低下
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眠っている間に体が休まっていない感じがする
熟眠障害の主な原因
心理的要因
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ストレスや不安
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精神的な緊張や心配事があると、寝つきが悪くなり、浅い眠りに陥ることがあります。
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うつ病や不安障害
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これらの精神的な障害が影響し、深い眠りに入れず、眠りが浅くなることがあります。
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身体的要因
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睡眠時無呼吸症候群
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睡眠中に呼吸が一時的に止まるため、睡眠の質が低下し、深い眠りに入ることができません。
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痛みや体調不良
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関節痛や胃腸の不調、呼吸器系の病気(喘息など)が影響して、眠りが浅くなります。
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ホルモンバランスの乱れ
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更年期障害や甲状腺疾患が原因で、体温調節や眠りのサイクルが乱れることがあります。
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生活習慣の影響
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不規則な睡眠時間
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睡眠リズムが崩れると、深い睡眠が得られず、熟眠感が得られません。
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寝る前の過度な刺激
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スマホやPCの使用、カフェインやアルコールの摂取が、浅い眠りを引き起こすことがあります。
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運動不足や過度の運動
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適度な運動は良い睡眠を促進しますが、寝る直前の激しい運動や、運動不足も睡眠の質を低下させます。
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加齢
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高齢になると、深い睡眠が得られにくくなることがあり、熟眠障害が進行しやすいです。
熟眠障害の改善方法
① 睡眠環境の見直し
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寝室を静かで暗くし、快適な温度を保つ(18〜22℃)
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寝具を自分に合ったものに変更(枕やマットレスの調整)
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照明を工夫(寝る前に明るい光を避け、暗い部屋でリラックス)
② 規則正しい睡眠習慣の実践
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毎日同じ時間に寝る・起きることで体内時計を整える
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寝る前のリラックスした時間(読書、リラックス音楽など)を作る
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寝室以外の場所でリラックスし、眠くなってからベッドに入る
③ 寝る前の習慣の改善
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カフェインやアルコールの摂取を控える(特に寝る前6時間以内は避ける)
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スマホやPCの使用を控える(ブルーライトが睡眠を妨げるため、寝る1〜2時間前には控える)
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重い食事や辛い食事を避ける(消化に時間がかかるため、寝る前2〜3時間は食べない方が良い)
④ 運動の工夫
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日中に適度な運動を取り入れる(ジョギングや散歩など)
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寝る直前の運動は避ける(身体が興奮状態になり、眠りが浅くなる)
⑤ ストレス管理
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リラックス法(深呼吸、瞑想、ヨガなど)を取り入れる
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寝る前にリラックスする時間を作り、心を落ち着ける
⑥ 専門的な治療法
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睡眠障害が続く場合、医師に相談することが重要です。
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認知行動療法(CBT-I)は、睡眠の質を改善するために有効な治療法です。
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睡眠薬やサプリメント(メラトニンなど)を医師の指導のもとで使用することも考えられます。
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医師に相談すべき場合
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1ヶ月以上続く場合
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日中に強い眠気や集中力の低下がある場合
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生活に支障をきたすほど、眠れない、または眠りが浅い状態が続く場合
熟眠障害は、体や心に負担をかけ、日常生活に大きな影響を及ぼすことがあります。睡眠の質を改善するために、生活習慣の見直しを試み、必要に応じて医師のサポートを受けることが重要です。