男性型脱毛症(AGA)の進行パターンについて詳しく解説
男性型脱毛症(AGA:Androgenetic Alopecia)は、主に男性に見られる進行性の脱毛症です。頭頂部や生え際から薄毛が進行し、放置すると症状が悪化します。AGAの進行パターンは、「ノーウッド・ハミルトン分類(Norwood-Hamilton Classification)」という基準に基づいて、7段階に分類されます。これは、世界的に広く使用されているAGAの進行度を示す指標です。
ノーウッド・ハミルトン分類の7段階
Ⅰ型:初期段階
- 生え際の後退がほとんど見られない状態。
- 目立った脱毛はなく、AGAの進行が始まる前の段階。
対策:
早期のケアや生活習慣の改善が有効。
Ⅱ型:軽度の生え際後退
- 生え際がわずかに後退し、特に額の両側がM字型に薄くなる。
- 頭頂部の脱毛はまだ見られない。
対策:
フィナステリドやミノキシジルの使用が効果的。
Ⅱa型:生え際の中央まで後退
- 生え際の後退がさらに進行し、額の中心部分まで薄毛が拡大。
- 頭頂部の毛量はまだ維持されている。
対策:
DHT抑制薬や血行促進薬の併用を検討。
Ⅲ型:明確な脱毛の進行
- 額の両側が大きく後退し、M字型がより顕著になる。
- 頭頂部にもわずかな薄毛が見られることがある。
対策:
医師の診断を受け、積極的な治療を開始。
Ⅲa型:頭頂部の脱毛が進行
- 前頭部と頭頂部の両方で薄毛が目立つ。
- 脱毛の範囲が広がり、髪が細くなる。
対策:
ミノキシジル内服薬やデュタステリドの使用を検討。
Ⅳ型:広範囲の脱毛
- 額の生え際がさらに後退し、頭頂部の脱毛も進行。
- 前頭部と頭頂部の間に髪の毛がわずかに残る。
対策:
外用薬と内服薬の併用が推奨。
Ⅴ型:頭頂部と前頭部の脱毛が接近
- 頭頂部の脱毛範囲が拡大し、生え際の後退とつながりやすくなる。
- 側頭部と後頭部の毛髪はまだ残っている。
対策:
植毛手術を検討する段階。
Ⅵ型:高度の脱毛
- 前頭部と頭頂部が完全につながり、広範囲にわたって毛髪が失われる。
- 側頭部と後頭部の毛量も減少。
対策:
医療用かつらや植毛が現実的な選択肢。
Ⅶ型:最終段階
- 頭部全体が著しく薄くなり、側頭部と後頭部の毛髪のみが残る。
- 「馬蹄形」の毛髪パターンが特徴的。
対策:
植毛やウィッグの利用を考慮。
進行パターンの見極め方
- 生え際の形状の変化:M字型やU字型に後退しているか確認。
- 頭頂部の毛量:つむじ周辺の毛が薄くなっていないかチェック。
- 髪の細さ:毛が細く、コシがなくなっているかも重要な指標。
進行を遅らせるためのポイント
- 早期発見・早期治療
- 脱毛が気になり始めたら、医師に相談し、適切な治療を始める。
- DHT抑制薬の服用
- フィナステリドやデュタステリドでDHTの生成を抑制。
- 血行促進薬の併用
- ミノキシジルで毛根への血流を促進。
- 生活習慣の改善
- バランスの取れた食事、ストレス管理、十分な睡眠を心がける。
- 頭皮ケア
- 頭皮マッサージやシャンプーで頭皮環境を整える。
まとめ
- AGAは7段階に分類され、進行度に応じた治療が必要です。
- 初期段階での適切な対応により、進行を遅らせたり改善したりすることが可能です。
- DHT抑制薬や血行促進薬を中心に、医師と相談しながら治療を進めましょう。
気になる症状がある場合は、早めの診察と適切なケアが重要です。