欧米においても、Sebaceous cyst(脂肪腺嚢腫)に対して軟膏治療が行われることはありますが、主に感染や炎症が関与する場合に限られます。つまり、粉瘤が感染して膿を持つような場合には、感染を抑えるために抗生物質軟膏が処方されることがありますが、これも根本的な治療にはならず、あくまで感染の治療や炎症の軽減を目的としています。
欧米での治療法に関するアプローチ
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抗生物質軟膏の使用
- 脂肪腺嚢腫が感染した場合、抗生物質軟膏(例えば、ムピロシン軟膏やバシトラシン軟膏など)が使用されることがあります。これにより、感染が広がるのを防ぐことができます。しかし、軟膏治療だけでは嚢腫そのものを取り除くことはできません。
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ステロイド注射
- 一部の症例では、炎症を抑えるためにステロイド注射が使用されることもあります。これにより腫れや痛みを軽減できますが、根本的な治療ではありません。
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外科的切除
- 欧米を含む多くの国で、脂肪腺嚢腫(粉瘤)の根本的な治療は外科的切除です。嚢腫を完全に取り除くためには、局所麻酔下での手術が行われ、嚢の袋ごと摘出されます。この方法が粉瘤の再発を防ぐために最も効果的です。
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レーザー治療
- 一部の症例では、レーザー治療が使われることもあります。レーザーで嚢腫を焼灼することで、早期に処置が可能ですが、これも外科的摘出に比べると再発のリスクがあります。
結論
軟膏治療は主に感染を抑える目的で使用されるため、粉瘤の根本的な治療にはならず、外科的摘出が推奨されます。欧米では、感染が発生した場合に抗生物質軟膏を使用することがありますが、粉瘤自体を完全に治療するためには手術が必要です。再発を防ぐためには、嚢を完全に取り除くことが最も重要です。