近視(きんし)とは、遠くのものがぼやけて見え、近くのものははっきり見える視力の状態です。眼球の構造的な異常によって、光が網膜の手前でピントを結んでしまうことで起こります。
近視の仕組み
正常な目では、遠くから入ってきた光は角膜と水晶体を通って網膜の上でピントが合います。
しかし近視では、主に以下の理由で網膜の手前でピントが合ってしまいます。
- 眼軸長(がんじくちょう:目の奥行き)が長い
- 角膜や水晶体の屈折力が強すぎる
結果として、遠くのものがぼやけて見えるようになります。
近視の種類
種類 | 特徴 |
---|---|
単純近視 | 子ども〜若年者に多い/進行が緩やか/遺伝や生活習慣が関与 |
強度近視(病的近視) | -6.00D(ジオプター)以下/眼軸が著しく長くなる/網膜剥離や緑内障のリスク増加 |
仮性近視(調節緊張) | 一時的な近視/長時間の近業作業で毛様体が緊張/休息や点眼で改善することも |
近視の原因とリスク因子
- 遺伝(親が近視)
- 長時間のスマホ・タブレット・読書
- 屋外活動の不足
- 学業・仕事による近業の多さ
- 不適切な姿勢や照明
診断方法
- 視力検査
- 屈折検査(オートレフラクトメーター)
- 眼軸長測定
- 調節麻痺薬を使った検査(仮性近視の判別)
治療・矯正方法
方法 | 特徴 |
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眼鏡・コンタクトレンズ | 最も一般的/屈折異常を補正 |
オルソケラトロジー(ナイトレンズ) | 就寝中に特殊レンズで角膜を矯正/日中裸眼で見える |
レーシック(屈折矯正手術) | 角膜の形状を変えて視力を改善/適応には検査が必要 |
低濃度アトロピン点眼 | 近視の進行抑制効果(特に小児) |
予防と進行抑制のポイント
- 屋外での活動(1日2時間以上が推奨)
- スマホ・PCは20分ごとに20秒遠くを見る(20-20ルール)
- 姿勢を正しく、読書や勉強は30~40cm離して
- 暗いところでの読書・ゲームを避ける
- 定期的に眼科受診(特に子ども)
強度近視の合併症リスク
- 網膜剥離
- 緑内障
- 黄斑変性
- 後部ぶどう腫(眼球の後ろが膨らむ)
まとめ
- 近視は生活習慣や遺伝の影響が大きい視力異常です。
- 子どものころからのケアが将来の視力維持につながります。
- 強度近視は失明リスクのある合併症を伴う可能性があるため、進行抑制が重要です。
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