加齢黄斑変性症(かれいおうはんへんせいしょう)とは、加齢により網膜の中心にある「黄斑(おうはん)」という部分が障害され、視力が低下する病気です。特に視野の中心が見えにくくなるため、ものの中心がゆがむ・見えないといった症状が現れます。
黄斑とは?
黄斑は、網膜の中心に位置し、細かいものを見るために重要な部分です。読書や顔の認識など、「はっきり見る」ための視機能を担っています。
原因
主な原因は 加齢ですが、以下のようなリスク因子もあります:
- 喫煙
- 遺伝
- 高脂血症・高血圧
- 紫外線の長期暴露
- 不健康な食生活(抗酸化物質の不足)
種類と特徴
種類 | 特徴 |
---|---|
萎縮型(ドライタイプ) | 徐々に黄斑が萎縮する。進行は比較的ゆっくり。治療法は限られる。 |
滲出型(ウェットタイプ) | 新しい異常な血管(脈絡膜新生血管)ができ、出血や浮腫を起こす。進行が早く、失明リスクが高い。治療対象。 |
主な症状
- 中心が暗くなる・黒くなる
- 中心がゆがんで見える(直線が波打って見える)
- 視力の低下(特に読書や顔の認識が困難)
- 色の見え方が変わることもある
診断方法
- 眼底検査
- OCT(光干渉断層計):網膜の断層を確認
- 蛍光眼底造影検査:新生血管の有無を調べる
治療法(主に滲出型の場合)
- 抗VEGF療法(眼内注射)
- 新生血管の成長を抑える薬を眼球内に注射
- 定期的な治療が必要(1~3か月ごと)
- レーザー治療(新生血管が小さい場合など)
- 光線力学的療法(PDT)
- 光に反応する薬を使い、レーザーで異常血管を閉塞
予防と生活上の対策
- 禁煙(最大の予防効果あり)
- サングラスで紫外線をカット
- 抗酸化作用のある食事(ルテイン、亜鉛、ビタミンC・E)
- AREDS処方のサプリメント(進行抑制に有効とされる)
注意点
- 加齢黄斑変性症は放置すると失明の恐れがあります。
- 早期発見・定期的な検査が重要です。
- 自宅でのチェックには「アムスラーチャート」という簡単な視野検査も有効です。
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