5α-還元酵素とは?
5α-還元酵素は、テストステロン(男性ホルモン)をジヒドロテストステロン(DHT)というより強力なホルモンに変換する酵素です。DHTは、体内の特定の組織—特に前立腺や毛根—で強い影響を与えることで知られています。
5α-還元酵素の2種類
5α-還元酵素には、主に2つのタイプ(タイプⅠとタイプⅡ)が存在します:
- タイプⅠ: 主に皮膚や頭皮、肝臓に存在し、毛髪や皮脂腺に関連する作用があります。
- タイプⅡ: 主に前立腺、精巣、髪の毛根に多く存在し、男性型脱毛症(AGA)や前立腺肥大に関連する作用を担っています。
フィナステリドは、特にタイプⅡの5α-還元酵素を選択的に抑制します。
フィナステリドの5α-還元酵素阻害作用
フィナステリドは、5α-還元酵素のタイプⅡを特異的に阻害する薬です。この酵素を阻害することで、テストステロンがDHTに変換されるのを防ぎ、血中のDHTレベルを低下させます。
- DHTの生成を抑制: フィナステリドが5α-還元酵素を抑えることで、テストステロンがDHTに変換される量が減少します。これにより、DHTによる影響を受ける部位(例えば前立腺や毛髪)でのDHTの作用が抑えられます。
- 前立腺肥大の改善: 前立腺はDHTの影響を強く受ける部位です。フィナステリドは、DHTの生成を抑えることによって、前立腺の肥大を抑制し、尿道を圧迫することなく排尿がスムーズになる効果を発揮します。
- 男性型脱毛症(AGA)の改善: 男性型脱毛症は、DHTが毛髪の成長を抑制することが原因で進行します。フィナステリドはDHTの生成を抑えることにより、毛髪の成長を促進し、脱毛の進行を遅らせる効果があります。
まとめ
フィナステリドの5α-還元酵素阻害作用は、テストステロンからDHTへの変換を阻害し、DHTの血中濃度を低下させることによって、前立腺肥大症の改善や男性型脱毛症(AGA)の進行を防ぐ効果を持っています。この作用が、フィナステリドを前立腺肥大や男性型脱毛症の治療に有効にしているのです。
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