フィナステリドとデュタステリドの成分名で共通するステリドとは
「ステリド(-steride)」という語尾は、医薬品の国際一般名(INN: International Nonproprietary Name)において、特定の薬理作用や構造を持つ薬剤群に共通して使われる接尾語(サフィックス)です。
「-steride」とは何か?
「-steride」は、以下のような意味合いを持つ命名規則の一部です:
項目 | 内容 |
---|---|
分類 | 5α還元酵素阻害薬(5α-reductase inhibitors) |
由来 | 「ステロイド(steroid)」構造に由来しつつ、「還元酵素(reductase)」や「阻害剤(inhibitor)」の意味を含む造語 |
例 | フィナステリド(Finasteride)、デュタステリド(Dutasteride)、アビナステリド(Abiraterone acetateの類似化合物)など |
解釈のポイント
- 「-steride」というサフィックスが付く薬剤は、多くが男性ホルモン(アンドロゲン)代謝に関与します。
- 特に「5α還元酵素(5α-reductase)」という酵素を阻害することで、テストステロンからジヒドロテストステロン(DHT)への変換を抑制します。
- これは、前立腺肥大症や男性型脱毛症などの疾患においてDHTが病態に関与するため、それを抑える治療戦略の一環です。
「ステロイド」との関係
- 「ステリド」という言葉は、「ステロイド(Steroid)」と語感が似ていますが、同じものではありません。
- 「ステロイド」はホルモン様物質の化学構造を指しますが、「-steride」はその中でも5α還元酵素を阻害する薬に与えられる名前上の分類です。
- つまり、「ステリド」は作用機序ベースの命名であり、「ステロイド」は構造ベースの分類です。
結論
「ステリド(-steride)」は、
「5α還元酵素阻害作用を持ち、アンドロゲン代謝に関与する薬物」であることを示す国際命名規則の一部であり、「ステロイド」由来の語構成を持ちながらも、作用機序に基づいた命名です。
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